みみずくの藥局
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インフルエンザ 2010

○2010年のインフルエンザの予想

まず今年のインフルエンザワクチンから見ていきますと、2010/2011シーズンのインフルエンザワクチンには、Aソ連型株の代わりに昨シーズンに「新型ワクチン」と呼ばれたブタインフルエンザ(H1N1)が組み込まれ、1本のワクチンに3種類の抗原が含まれます。
(1)新型ブタインフル A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm株
(2)季節性A香港型 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株
(3)季節性B型 B/ブリスベン/60/2008株

2010年11月15日の段階で、季節性、中でもA香港型(H3N2)が流行しています。中国本土や香港では夏に大流行しており、「日本ではこの4年間、A香港型は流行しておらずこの型に対する免疫が下がっている。季節性の流行は例年では最も寒い1月ごろに始まるが、新型流行で昨シーズンの季節性の流行が抑えられていたこともあり、今年はもっと早く始まる可能性がある」との情報があります。
ワクチン接種での予防をはじめ、うがいや手洗い、マスクの着用など、日ごろからの予防策を徹底した方がいいと思われます。また、ウイルス拡散を防ぐ上で家庭内感染の予防も重要であることから、もしも家庭内で発生した場合は2次感染を防ぐ手立てをとり、特に看病に当たることの多い母親は、家庭内であってもマスクをするなどの予防を心がけてください。

○インフルエンザにかかったら

インフルエンザにかかったら、単なるかぜだと軽く考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。そして安静にして、休養を取る事が大切です。特に睡眠を十分にとることが大切です。それから水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。早めに治療することは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。なお、いわゆる「かぜ薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。

○インフルエンザの予防は

予防の基本は、流行前に予防接種を受けることで、これは欧米では一般的な方法になりつつあります。また、罹患した場合に重症化する可能性の高い人には、重症化防止の方法としても有効です。インフルエンザは、インフルエンザにかかった患者の咳(せき)などで空気中に拡散されたウイルスを鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、人混みは避けましょう。特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れていたり、睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。罹患したとき重症化する可能性が高くなります。予防接種を受けられる際は、かかりつけの医者か予防接種を行っている医療機関に相談の上行って下さい。
空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなりますので、室内では加湿器などを使って、適度な部屋の湿度を保ちましょう。外出時にはマスクを利用したり、常日ごろからバランスよく栄養をとることも大切です。帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。

○インフルエンザとは?

A・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。
インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、インフルエンザウイルスはA型、B型、C型に分類されます。また、A型はさらにウイルスの表面の抗原性の違いにより亜型に分類されます。いわゆるA/ソ連型、A/香港型というのは、この亜型のことです。インフルエンザの発症が防げるかどうかは、それぞれの人のからだがそれぞれのウイルスの種類に対して、防御のための抗体を持っているかどうかが鍵(かぎ)を握ります。現在、ヒトの世界で広く流行しているのは、A/ソ連型ウイルス(H1N1亜型)、A/香港型ウイルス(H3N2亜型)、B型ウイルスの3種類です。様々な組み合わせをして、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布しているので、A型インフルエンザウイルスは人畜共通感染症としてとらえられています。そして最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋として注目を浴びています。
A型インフルエンザは巧みにヒトの免疫機構から逃れ、流行し続ける特徴があります。これを連続抗原変異または小変異といいい、いわばマイナーモデルチェンジのイメージです。連続抗原変異によりウイルスの抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザ感染を以前に受け、免疫がある人でも、再び別のA型インフルエンザの感染を受けることになります。その抗原性に差があるほど、感染を受けやすく、また発症したときの症状も強くり、ウイルスは生き延びます。

○インフルエンザの流行

A型は数年から数10年単位、突然別の亜型に取って代わることがあります。これを不連続抗原変異または大変異といい、いわばインフルエンザウイルスのフルモデルチェンジです。人々は新型に対する抗体はないため、大流行となり、インフルエンザウイルスはさらに息をふきかえして生き延びます。
これまでのところでは、1918年に始まっ たスペインかぜ)は39年間続き、1957年からはアジアかぜの流行が11年続き、その後1968年には香港かぜ が現われ、ついで1977年ソ連かぜ が加わり、小変異を続けながら現在はA型の香港かぜとソ連かぜ、およびB型の3種のインフル エンザウイルスが世界中で共通した流行株となっています。
なお1997年には、香港でトリ型のインフルエンザAが初めて人から分離され、新型インフルエンザウイルスの出現の可能性として世界中の注目を浴びましたが、幸いにも人から人への感染はなく、その後人での感染は見出されていません。しかしすでに香港かぜが30年、ソ連かぜが20年連続しているため、いつ新型に置き換わチてもおかしくない状況であり、引き続き警戒が必要です。
わが国のインフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1-3月頃にその数が増加、4-5月にかけて減少していくというパターンであるが、流行の程度とピークの時期はその年によって異なります。
2009年に世界的にパンデミックを引き起こした新型H1N1インフルエンザ(以下、新型インフルエンザ)は、2009年3月にメキシコを基点に世界的な流行をきたしたインフルエンザです。原因のウイルスは、北米の養豚場でみられた豚由来のA型インフルエンザが変異し、ヒト-ヒト感染(人から人への感染)するようになったものと考えられています。当初は季節性インフルエンザと比較して高い重症化率と死亡率をきたしたため、WHO(世界保健機関)から警戒が発信されましたが、その後の動向により適切な管理を行えば、季節性インフルエンザとおおむね同等に扱ってさしつかえないものと判断されています。

○風邪とインフルエンザとSARS

普通のかぜはライノウイルスやコロナウイルス等の感染によって起こります。症状としては、のどが痛む、鼻がむずむずする、水のような鼻汁が出る、くしゃみや咳が出るなどが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはめったにありません。
一方、インフルエンザにかかると39℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、あわせて、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。更に、気管支炎、肺炎などを併発し、重症化することが多いのもインフルエンザの特徴です。小児では中耳炎、熱性けいれんなどを合併することもまれではありません。また、インフルエンザは流行が始まると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点でも普通のかぜとは異なります。
更に、普通のかぜが流行しても死亡する人はあまり増えませんが、インフルエンザが流行すると、65歳以上の高齢者での死亡率がふだんより高くなるという点でも大きな違いが見られます。 高齢者や呼吸器・心臓などに慢性の疾患を持つ人は、重症化することが多いので十分注意する必要があります。近年、小児ことに、幼児がインフルエンザにかかると、まれに急性脳症を併発して死亡するといった問題も指摘されています。

それと忘れてならないのが平成15年に大問題となったSARSです。症状が似ているため注意する必要があります。
SARSはSARSコロナウイルス、インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、それぞれまったく違うウイルスによるものですが、初期の症状は、突然の高熱、筋肉痛、全身のだるさなど極めてよく似ており、症状だけからでは区別はつきません。また、インフルエンザは感染してから1〜3日で症状が出てきますが、SARSは感染してから発症するまで(潜伏期)に2〜10日かかります。同じような症状の人と接触した時期を思い出してください。インフルエンザは通常1週間前後で治りますが、SARSの場合には発熱が持続し、熱が出初めてから2週目頃から呼吸器症状が強くなり、10〜20%の人では人工呼吸器が必要なほど重症化します。
しかしながら、インフルエンザであっても重症になれば肺炎を起こしますし、SARSも軽症であれば、1週間程度で治りますので、やはり単純に症状だけで区別することはできません。したがってSARSが疑われるときには、実際にSARS患者と濃厚な接触をしたか、介護したか、同居したか、あるいはその体液に接触したかなどの情報が重要となります。両者を見分けるためには、医療機関において各種検査を行いその結果などから総合的に判断することが必要です。

(国立感染症研究所感染症情報センター参照)






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